最近(2021年5月末)、会津(特に会津若松市)では新型コロナウイルスの感染者が急増してました。赤べこのご利益も力及ばず、とても残念な事です。(赤べこには疫病退散祈念もあるので)
「赤べこ頼り」ってのは当然、人事を尽くしてからの話ですから、もいちど、人事を再確認してみます。
コロナウイルスは、SARS(重症急性呼吸器症候群)が2002年から、MERS(中東呼吸器症候群)は2012年から感染が確認されています。これらのコロナウイルスと区別することから、新型コロナウイルスと呼ばれたわけで、2019年の感染確認です。
SARS(サーズ)もMERS(マーズ)も治療法が確立されていませんので、新型コロナウイルスのワクチンも開発に数年はかかるのではないかと思っていましたが、とてつもなく早く開発は進み接種が始まっている状況です。
感染経路
コロナウイルスの感染経路は主に二つ、飛沫感染と接触感染になります。
いずれも、口や鼻、目から体内にウイルスが侵入します。
飛沫感染は、感染者の飛沫を介して感染します。飛沫は空気中に飛び散った水分を含む微粒子で、咳、くしゃみ、会話によって飛散する唾液にの事です。
接触感染は、感染者との直接接触や、ドアノブ、吊り革、エレベーターのボタンを介して感染します。コロナウイルス数で言えば、この接触感染の方が一度に沢山のコロナウイルスが体内に入ると考えられます。
予防のプライオリティは接触感染>飛沫感染になります。
感染
体内でウイルスが増殖を始めている状態です。発症は感染した事により自覚症状が出ている状態になりますが、稀に自覚症状がでない人もいることが問題になっています。
ウイルスが体内に侵入しても体の検疫機能が優っている限りウイルスは増殖を始められません。
重要です。体に侵入するウイルスが少なければ体の免疫機能でやっつける事ができます。免疫機能が落ちている方や免疫機能が不全、未発達の方が罹りやすいと言われるのは、少ないウイルスにも感染してしまう為です。
感染者とは、体内に侵入したウイルスが増殖を始めている人の事で、周りの人に感染させる恐れのある人ということになります。
コロナワクチンの接種とは、この体の免疫機能にコロナウイルスを事前に知らせておいて、対処する能力を飛躍的に高める事です。
勘違いされている方も多い様に感じますが、コロナワクチンの接種は、接種前の免疫機能の対処能力がコロナウイルスに対して一度に500まで対処できたものを、接種後は5,000まで対処できるようになるというもので、この対処能力を超えるコロナウイルスが体内に入るとやはり感染します。
(数字は適当です。調べましたが研究報告は見つかりませんでした)
滅菌(ウイルスを完全に無くす)事は、一般生活ではなかなかできないのですが、殺菌(ウイルスを失活させて、数を減らす)は広く行われています。体内に侵入するウイルスの数を少なくすることで感染を防ぎます。
ウイルスの増殖
ウイルスは生きた細胞の中でしか増殖できません。
細菌が栄養と水があり、環境が整えば増殖するのとは異なっています。
ウイルスには寿命があり、床、壁、ドアノブ、アウター等への衣類では、数時間から数日で死にます(ノロウイルスは環境によってはかなりの日数を生きるという報告もあります)。
アウターを毎日のように洗濯しなくてもいいのは、利用者が自分一人で、着ていない時間の間にコロナウイルスが寿命になって減菌されていくからです。
壁や床の殺菌がそれほど重要視されないのも同じ理由になりますが、換気を行って浮遊ウイルスを屋外に出すようにしましょう。
飛沫感染
小さな子供がふざけ合って遊んでいるのを見ると、30cm位の距離で目に見える唾が飛び交っていたりします。風邪やインフルエンザ等が流行るわけです。
飛沫感染は、沢山のウイルスを含んだ飛沫を、口、鼻、目から侵入させて起こります。
ウイルスの数は、飛沫のサイズにより、また、感染者のウイルスを増殖させている程度により増減します。
飛沫の飛散する距離は、60 μm(マイクロメートル。0.06mm)を超える大きな飛沫で一般の会話で50cm、咳なら2m、くしゃみなら最大6m程飛散すると考えられていて、これがソーシャルディスタンスの距離の目安になっています。飛沫が大きければ大きいほどウイルスの数は多いのですが、飛散する距離は短くなり、小さければ遠くまで飛散しますが、そこに含まれるウイルスの数が減ります。
水分を含んで重い飛沫は飛散した後に床に落ちます。空気中を漂うのは水分が抜けて軽くなってからで、飛沫内に沢山のウイルスが含まれるのに対して、空気中に漂うのは希薄で、それだけなら健康な人の体の免疫機能が上回ります。
接触感染
感染者との接触感染はともかく、ドアノブ、吊り革、エレベーターのボタンを触ることは日常的に起こり、これらに付着していたウイルスが手指を介して、口、鼻、目から侵入して感染します。
ウイルスは細胞の中でしか増殖しませんから、前に触った人がウイルスを持ち帰ってくれれば、次に触った人は安全なわけですが、スイッチみたいにONかOFFという事にもなりません。
感染者が手指を清潔に保ってくれれば接触感染のリスクは低減できますが、感染者の咳やくしゃみはマスクで飛散が抑えられるとしても、感染者がマスクを直すという行為で、手指にウイルスが付着します。
病院の待合室で隣に座られていた方が、ずっとマスクを直していて、その後、手を洗うこともなく消毒する様子もなくいたのを見ると、重要なのは自己防衛だと思わされました。
自己防衛
他人任せでは感染を十分に予防できません。
もう十分に啓発されていることではありますが、実際に感染が拡大している現状では啓発も十分ではないという事だと思いますのでここで改めて確認していきます。
マスク
ウイルスを含んだ飛沫をガードできます。
ウイルスを含んだ飛沫の飛散を止めます。
マスクにはウイルスを含んだ飛沫が付着している可能性がありますので、触りません。触った後は手を洗うか消毒をします。
マスクをしていない時の咳やくしゃみは手で押さえず、肘を使います。
マスクは放置せずすぐにゴミ箱に捨てます(できていないわ。すぐにまた出かけるからもう一度使おうとかしがちですが、捨てなければなりません。反省)
手洗い、手指消毒
病院へ家族を連れて行きましたが、出入り口に消毒液がありました。その後、入り口と出口が分けられていて、入り口には検温の機械があり、出口には消毒液がありました。
消毒は殺菌が目的です。感染していない人の手は綺麗な筈なので本来、殺菌の必要はありません。館内でエレベータのボタンを押す、トイレのドアノブを触るなどして、帰る時には手指にウイルスが付着している可能性があります。なので、帰るときに消毒をすることは大切です。
お店の出入り口にも消毒液がありますが、入る時の消毒はエチケットみたいなもので、帰る時の消毒こそが自分や家族の為で大切になります。
消毒液は主に噴霧ですから、液のかかった所と液のかかっていないところがあります。びっしょりになるまで噴霧するのならともかく、消毒液を伸ばして、手指全体を満遍なく消毒するようにします。
ただ、この満遍なく消毒液を行き渡らせることは大変な事に加えて、アルコール抵抗性のあるノロウイルスなどの心配もありますので、手洗いもきちんと行います。
ある時、「アルコール消毒で十分」という話を聞いてびっくりしました。新型コロナ対策の一環の中で出た話です。新型コロナ対策をされている方はそれで十分かもしれませんが、ノロに罹ったらそれはそれで大変でしょう、と思うわけです。
また、体の免疫機能を十分に働かせる為にも、その他の細菌やウイルスの侵入を最低限になるように努めたいところです。
消毒、換気
接触感染のありそうな所を消毒して拭きます。
手すり、ドアノブ等でしょうか。
また衣服についたウイルスが、外から持ち込まれる可能性はあります。これらが浮遊しても体内に入る個数は少なさそうですが、体が弱っていたりすると少ない個数でも感染することはあるかもしれません。
(それだけ体が弱っていると、感染するのは時間の問題な気もしますが)
家族が感染している可能性もあります。この場合、いくらウイルスの数が少なくても、ずっと免疫機能が働き詰めになりウイルスに負けてしまう事が考えられますので、適度な換気は大切になります。
普段心がけること、お勧め
店を出るときの手指消毒
人の集まる店には、出入り口に消毒のあることが普通の光景になりました。
入る時の消毒はエチケットみたいなもの。店を出るときの消毒こそが重要です。
店に入るときは手についたコロナウイルスを店内へ持ち込まない働きがありますが、実際はコロナ感染者が店を利用している可能性もあって、店内でコロナウイルスを手につけてしまう可能性があります。
店を出るときに消毒をすれば、家に持ち込む可能性を減らせます。
家庭内感染のリスクを減らすという観点からも、入る時よりも出るときの消毒がより効果的だとわかるはずです。
店を出た後に車に乗るのであれば、車への持ち込みがなくなりますし、公共交通機関を利用するにしても他者への感染リスクを減らせます。一人一人の感染予防が大きな結果につながります。
家に帰ったら、手洗い、うがい、洗顔
家で過ごす時間は長いものです。家族で暮らす場合、家庭内感染でみんなが罹ってしまうのは避けたいところ。
手洗い、うがいまではやれても、子度は洗顔まではやらないかもしれません。
子供、特に小さな子供は、意外とツバキを飛ばしあって会話をしていますので、顔を洗う習慣をつけてもらうのは良い習慣です。
フェイスシールドを普段につけている人は、洗顔の重要さを知っているのだと思いますが、普段にフェイスシールドをつけていない人が大半だと思いますので、せめて、帰ってからの洗顔を行うようにします。
一人の感染者が周りの感染リスクを高めます。繰り返しますが、一人一人の感染予防が、結果としてコロナ感染を封じます。
ワクチンを接種する
自分はインフルエンザに罹った覚えがありません。
こうなると「インフルエンザって、本当にあるの」って気にもなりますが、ウイルスの変異は早いです。
SARS(重症急性呼吸器症候群)や、MERS(中東呼吸器症候群)は封じ込めに成功して世界への蔓延を防げましたが、新型コロナは蔓延してしまっています。
感染者が多いほど変異の可能性は高まり、いつ、致死率が10倍、100倍になったウイルスが出現するかわかりません。
ワクチンは万能ではありませんが、この蔓延状態を封じる有効な手段には違いありません。
この蔓延状態に終止符を打つべく、機会があるなら積極的にワクチンを接種します。
最後に
感染は一発アウトで、沢山のウイルスを体内に侵入させてしまうと、普段どんなに注意深く過ごしていても罹る時には罹ります。ワクチンを接種しても罹るのは、体についた抵抗力以上のウイルスを体に入れてしまったり、継続的にウイルスを体に入れてしまうことで起こります。
最終防衛ラインは、家族や周りの人に感染させないことになりますが、無症状の人もいるという話なので油断は禁物です。
自分は今のところ検査を2回受けて陰性でしたが、明日も陰性かはわからないわけです。
早くワクチン接種をみんなが受けらるといいのですが。
コロナ関連 よもやま話
コロナ漫画大賞 こびナビ(CoV-Navi)
こびナビ(CoV-Navi)は、新型コロナワクチンに関する正確な情報を伝える、日米30名以上の医師や公衆衛生の専門家が運営しているプロジェクト。
そのこびナビで新型コロナワクチンについての理解を促進するためのマンガコンテストが開催され、審査結果発表がされています。
まだ全部は読んでませんが、面白く読めて理解が進みます。
コロナやコロナワクチンへの啓蒙がこれを機会に進んでもらいたいです。
受賞作品
大賞の「【衝撃の真実】【漫画でわかる!】新型コロナウイルスワクチンの正体」は、個人的にはNGでした。自主隔離2週間で飲み会を開くという設定ですが、これをOKにするのはハードルが高い筈です。審査員達は「飲み会やっている人達だ」と思わせます。まあ、問題意識が自分とは違う人たちが審査員ってだけのことです。
ノミネート作品
新型コロナワクチンの仕組み部門
Okayaさんの「mRNAを節分で説明してみた」は、コロナワクチンが偽物の鬼で、鬼の形を覚えた子供達(免疫細胞)が本物の鬼をやっつけるという組み立てが秀逸。また、最後のページでは、やってくる鬼が沢山だったり、新鬼だったりすると悪さがされるので、入って来れないようにすること(感染予防)が大切とワクチン頼みにならないように注意がちゃんとされている。
ちょうど、インフルエンザワクチン(不活化ワクチン、弱毒性ワクチン)は本物のウイルス(鬼)だけど、コロナウイルスは特徴だけを真似た偽物って話をしていたところだったので、ナイスタイミングで読めた漫画でした。
会津の赤べこ
コロナワクチン接種 1回目 会津中央病院の話
コロナワクチン接種 2回目 会津中央病院の話
一次情報
厚生労働省-新型コロナウイルス感染症について
厚生労働省-新型コロナウイルス感染症について-国内の発生状況など
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