近くの「塔のへつり」はよく観光客で賑わっていますが、中山風穴(なかやまふうけつ)は地味な場所で、散策する人もちらりほらりです。
中山風穴は春から秋にかけて岩の隙間から冷風が吹き出してきます。
そういえば、子供の時に来て以来です。
一部、2020年8月の写真も加えました。
中山風穴、岩の隙間から冷風のでる仕組み
中山は約200万年前に地下から現れた火成岩でできていて、柱状節理を持った岩石(安山岩)は崩れやすく、そのかけらが山の麓に積み重なっています。これを崖錐(がんすい)と呼びます。
冬:崖錐(積み重なった岩石)の下の方から冷たい空気が入り、岩石の隙間の温かい空気を伴って崖錐の上部から出ていきます。岩石の隙間や岩石の温度が下がり氷ができて、冷たさが蓄積されていきます。
夏:崖錐(積み重なった岩石)の上部から入った空気が岩石の隙間で冷やされて、冷風となって崖錐の下部から出てきます。
この仕組みによって、実際の標高より涼しい気候環境ができることにより、本来育たないはずの植物からなる植物群落が中山にはみられます。この植物群落は、学術上の価値があることから、1964年6月27日に国指定 天然記念物に指定されました。
花の開花時期は4月〜7月頃、8月に行ったら終わってました。
中山風穴地
最初に行った時は、この中山風穴地地図を持っていなくて、自分達が歩いたコースが定かではありません。事前に手に入れば良いのですが手に入らない場合は、コレを参考にしてください。
地図の上部、「湯野上温泉街へ」の舗装路に国道121号線から入る事ができます。
舗装路と言っても、「このまま進んでも大丈夫なのかな?」という道を進んで、行き止まりまでいくと広い駐車場があります。
どうまわるかは悩ましいかもしれません。
地図からは標高520m〜580mに冷風の吹き出す風穴があり、この高低の道を歩くことになります。
自分達は駐車場まで行って、第3〜6指定地を歩き、駐車場から冷風体感施設まで車を動かしましたので、第1、2指定地は歩きませんでした。その分、高低も楽になってます。
天然記念物「中山風穴地特殊植物群落」の案内。
植物群を見るのには、5月中旬から7月初旬が間違いがないようですが、散策にも良いコースですし、風穴はもう少しシーズンが長いので、風穴が楽しめると思います。
奥の駐車場まで行くと、そこに古い展望台があります。
あまりにも古そうなので、いつ撤去されてもおかしくありません。
目的は不明なのですが広場もあって、そこそこ維持もされています。
普段、街中では見ない花が咲いてました。
街中で見る花も疎くて名前を知らないのですが。
どこからも冷風が吹く訳ではありませんが、全体に冷涼です。気分だけかもしれませんが。
写真だけでは伝わりませんが(写真が悪い)、意外に景観に富んでいて短調ではありません。
高低のあるところは、階段が整備されています。
中山風穴地特殊植物群落 第3指定地案内。
中山風穴地特殊植物群落には第1指定地〜第6指定地までがあり、今回は第3、第4、第6を見てきました。花は咲いてませんでしたが。
岩の隙間が地表に露出しているところに手をかざすと、冷風が吹き出ています。
指定地間でも高低があって、結構、上り下りします。
中山風穴地特殊植物群落 第4指定地案内。
標高は約480mとあります。中山風穴地地図で見ると、標高520m前後の場所なんですが、どちらがあっているかはわかりません。
気圧センサーで測れるのでしょうか?、子供の腕時計には高度計がついていたような……第一空挺団にいます。
地形が低平であるため冷気が長時間たまり湿度も高いとあります。同じ植物なら遅れて咲いて、遅くまで咲き続けるようです。
苔むして滑りやすいところがありますので、要注意です。
中山風穴地特殊植物群落 第6指定地案内です。
標高560mで、崖錐の中間部です。崖錐の上部から入った空気が冷気となって出てきます。
(案内は崖錐の上となっていますが、コレは崖錐の表面という意味のようです)
岩間の間からは0度に近い風が勢いよく出ているため、暑い日の午後は冷たい空気が地表に溜まり気流を発生させる、という説明です。
金塚山ウォーキングコースの案内がありました。
現在地から2.3kmで山頂という案内です、今回は行くのを見送りました。
冷風体感施設
国道121号線から入って、中山に登って行くと、一番最初にあるのが「冷風体感施設」です。時間がない時は、ここで風穴体験をして行くのもいいかもしれません。
自分達は、最後に寄っていきました。
岩の隙間から冷風が出ていて寒いくらいです(行く日にもよります)。
看板は外にあったものかもしれません。この日は建物(屋根)の中にありました。
岩の奥が3度位で、建物内は10度くらいでしょうか。
冷気が外気温と接するところで雲ができていました。
風穴を利用した貯蔵庫跡の案内です。
貯蔵庫跡の入り口です。冷気と外気が接するところが白くなっています。
冷風体感施設と仕組みは同じです。
場所 住所、地図
場所 住所、地図、ナビ用リンク (行き方/アクセス)
中山風穴入口 への ナビ用リンク (ナビ用の別画面が開きます)
名称:中山風穴入口
所在地:〒969-5206 福島県南会津郡下郷町大字湯野上居平乙
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